【その他】この世の沙汰は――嘘の間を縫って叫ぶ
とにかく今日は全く山とは関係ないことを書く。書かないといけないのだ。心が書けと言っているのだ。
東京にきてもうすぐ丸3年だ。2015年の七夕に福岡から上京した。それはとてつもなく大きく見えてかつ輪郭のない「夢」のようなものを抱えたわたしが爆発を起こして飛び火したように、生きる街を変えたのだった。
その夢は輪郭を未だ持たず、しかし確実に小さくなっている。若さゆえの爆発力がなくなったのかもしれない。夢より現実が重要だと思ってしまうようになったのかもしれない。
最近とても重大な嘘をくらってしまった。東京という街はいつもわたしを癒すことはなくただ心身を削り続けてきたのだが、その東京で偶然にも出会った、信頼している「と思っていた」人から、大きな嘘をくらった。
信頼とは、無意識下のものである。信頼とは、築く努力なくいつの間にか積み重ねられていくものである。その嘘は、無意識を一気に意識に変えた。わたしの中には信頼があり、それが、今ひっぺがされたのだと、意識が残酷に横たわった。その信頼がまことに薄いものだったとも意識させた。
嘘と無縁の人生を送ってきたのだと思った。嘘に対する耐性がない。幸い信頼を意識する必要のない環境下で生きてきたのだと実感した。
友人や同僚から、きみは何も悪くないと言われた。ただのドクズだから怒りなさいと。しかしまだ、そこにあるやさしさに飛び込めない。この意識をまだ自分のものにできていない。
さあ、わたしはこれからどうするのか。
「それならば貴様が生涯において体験することのないような大声を
俺は放つ 声を枯らす それはとても大きな意味を成す」
他人をなめるな。
関係をなめるな。
言葉をなめるな。
感情をなめるな。
時間をなめるな。
傷を負え。
この世の沙汰は嘘だらけ。
わたしはどこに生きても、他人・関係・言葉・感情・時間・傷を負う。
嘘の間を縫って生きていく。
せめてわたしだけは。
あえて大きな声で叫ぶ。声を枯らして。あのときの爆発のごとく。
今は自分にしか反響せずとも。
(あ~!山のぼりてえ~っ!!!)