のぼるおんなは今日もめんどう。

2017年から登山をはじめた、こじらせ会社員女性が、山行で余計にこじらせた思考を記録します。

【丹沢主稜縦走】初の単独宿泊、すべて背負って進むしかない。

2017年12月2~3日で、丹沢主稜縦走に行ってきました。単独で初の泊まり登山です。

 

突然ですが、私はGRAPEVINEというバンドが大好きです。

30代後半の男性にそう言うと、リアクションは「なつかし~!」の一択です。

1997年デビュー、去年は20周年イヤーでした。

GRAPEVINE - Wikipedia

 

丹沢縦走出発前日の12月1日夜、同じくバイン好きの友人と(注:私の年代でバイン好きの友人はかなりレア、本当に貴重な友人です)GRAPEVINE20周年ツアー最終日@東京国際フォーラムに参戦してきました。

ただただ最高のライブでした。20周年とて、ベスト盤的セットリストにすることもなく、新アルバム中心の選曲。攻めの姿勢と円熟したパフォーマンスにしびれました。ボーカルの田中さんの色気、すんごいんですよ。田中さんに遊ばれたい。

その上、古いファンも喜ぶ昔の曲もちらほらやってくれました。

ものっっっすごいよかったのが、この曲です。

www.youtube.com

田中さんの書く詞は、どの曲もひねくれていて、でもすごく本質的でもあって。いつ聴いても少し傷つけられて。GRAPEVINE最大の魅力のひとつは、田中さんの詞にあります。

 

Our Songより。

期待をして 身を乗りだして すれちがいまくって

昨日のツケ忘れたフリして 明日へ向かうって

言い訳してるだけ

「明日」という言葉に内包される、ひたすらに前向きな温度。それですべて許されるようなひたむきさ。確かに「明日」というのはマジックワードです。「次」とか「未来」も同じような温度を持っていると思います。

でも、そのマジックワードに隠れた昨日は、過去は、どうだったのか。前に進むことで、全部なかったことにしようとしていないか。

 

ああ…。一回死んでもいいですか…。

 

話は戻りまして丹沢主稜。1週間前からコース決めや持ち物準備に大奮闘。その時間もまた楽しかったです。

【コース】

どうしても大倉ではなくヤビツ峠からの表尾根を歩きたくて、最もロングなコースを選んでしまいました。きつかった~!

(しかも出発前日、バインのライブのあと終電まで飲んでたっていう)

 

■1日目

8:00ヤビツ峠⇒9:50三ノ塔⇒10:22烏尾山山頂⇒10:47行者ヶ岳山頂⇒11:37新大日⇒12:20塔ノ岳山頂(休憩25分)⇒13:30竜ヶ馬場⇒14:05丹沢山山頂⇒15:00棚沢の頭⇒15:55蛭ヶ岳山頂、蛭ヶ岳山荘泊

■2日目

7:00蛭ヶ岳山荘⇒8:20臼ヶ岳山頂⇒9:10金山谷乗越⇒10:25檜洞丸山頂(休憩45分)⇒12:15展望園地⇒12:50ゴーラ沢出合い⇒13:40西丹沢ビジターセンター

 

約35km。ソーハード。週末だけでこんな大縦走ができるのも、都心に近い丹沢ゆえかと思います。1日目は大体コースタイム通り、2日目はすこし巻けました。

 

歩き始めると…展望のいい表尾根が歩きたくてハードコースにしたのに、

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ハイパーガス。

なんだこれ…。しかも塔ノ岳までは人が多く、鎖場付近では渋滞も発生。

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しかしガスでも表尾根の稜線はやっぱり最高。

 

塔ノ岳山頂に着いてもガスが晴れることはなく、ここで引き返して日帰りにしようかと検討したほどでした。山頂の寒いこと寒いこと。

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しかし荒天なわけでもないので、予定通り丹沢山蛭ヶ岳を目指すことに。これが正解で、ここから先は人が一気に減り、快適登山を楽しめます。

霧氷も出現。誰もいないから、写真撮りまくってキャッキャ騒ぐ。(ガスの中だけど)

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桜のよう。

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躍動。

 

丹沢山から蛭ヶ岳へ向かう静かな山道を歩いているときも、GRAPEVINEのOur Songが頭から離れませんでした。

立ち止まったんだ 人並みの中

ふいに聴こえたメロディー

君を失くすくらいなら

死んだほうがマシ

山中特有のポエティックモードに拍車をかけるバインちゃん。この歌詞は、「君」をすごく欲しているのではなく、孤独を恐れているんだと思います、私は。意外とこの「君」には代わりにがいるものだと思います。ひとりはいつだって不安です。

 

丹沢山蛭ヶ岳は、登り返しがとにかくきつい。展望があればなんとか頑張れますが、相変わらずガス。しかも寒すぎて、ナルゲンに入れていた水がシャリシャリに凍ってしまいました。道もドロドロ。ゲイター買うことを決意。

 

15:55、なんとか蛭ヶ岳山荘に到着。着いたときには涙出そうでした。

素泊まりでしたので、食事は自炊室にて。

ひとりビールを飲んでいたら知らないおじさんがチーズをくれました。ひとりラーメンを作り出したら知らないおねえさんがワインとチーズをくれました。そんなにチーズ食べたそうな顔してたかな?

こういう山小屋の出会いは本当に楽しいですね。いろんな人とお話できてうれしかったです。

 

蛭ヶ岳山荘名物の夜景も、この日はガスで全然見えず。消灯の20時前に意識を失っていました。ちなみにこの日は布団1枚に2人でしたが、なんと私はソロハイカーなので1人で1枚使っていいよとのこと!こんなラッキーは、この先もきっとないでしょう。おかげでゆっくり寝られました。

 

翌朝、5時起床。どこからか「夜景きれいに見えるよ」という声が聞こえて急いで外に行きます。

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あんまり見えませんが、生で見るとすごかったんです。これが、東京・・・すごいところにきたもんだ。

昨日のガスは、すべて雲海に変わっていました。目の前で雲海を見るのは初めてで…もう涙腺がこわれかけ。

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そして朝食とだいたいの身支度を済ませ、いよいよご来光待ち。寒い中待った甲斐があり…

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驚くほど自然に、すーっと涙が出ました。

そして、横を向くと朝焼けの富士。笠雲つき。

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雲海も赤い。

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もう、ダメです。ごめんなさい。このあたりから涙が止まらないのです。

 

私は確かに、この光景に「明日」を感じたのです。

ここからは、何に後ろ髪を引かれても、前に進むしかない、全部背負って明日に行くしかない、それ以外に選択肢はない。そう思わざるを得ない風景。こんなに揺るがないものがある限り、過去にとらわれることは無意味だ。

ねえ 何が見たくて 全てを欲しがってきたんだっけ

意味などなくて ただそれだけでいいんだよなあ?

どうして涙流してる?

ひとりじゃまるで見えないのが 日常で

相変わらず頭の中はOur Songしか流れません。振り返るのも、前に進むのも、ひとりじゃどうしていいかわからないから、意味などなくても、山に登るのかも知れません。

 

ひとしきり泣いたあとは、下山!ここから檜洞丸を経由して、西丹沢ビジターセンターまで帰ります。

昨日とは打って変わって、大快晴!大勝利です。

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ずっと富士が見守ってくれています。

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檜洞丸前でシャリバテし、予定外の昼食を。再びラーメンでした。そこから一気に下山。昼食をはさみましたが概ね予定通りの時間に西丹沢ビジターセンター到着。安心。

 

西丹沢ビジターセンター~新松田駅までのバスではもちろん、Our Songを聴いていました。ありがとうGRAPEVINE。おかげでがんばれました。

 

新松田から小田急線で自宅最寄りに着き、一目散に近くの焼肉屋へ。体が肉不足じゃ〜!!!!

r.gnavi.co.jp

三頭山に登った仲間おすすめの店です。ちなみに28歳を超えてからひとり焼肉に何も感じなくなりました。名物ホルモンぷりぷり!安いしまた行く。

 

すれ違う登山者は、何を考えながら登っているのだろう。

私は、たいてい過去のことを思い出しています。あのとき言ってしまったひどい言葉や、底なしに笑った友達との会話。思い出したくないことまで頭をよぎって座り込みたくなることもあります。

でもやっぱり前に進むしか、明日を待つしかない。ただし、全部背負って。立ち止まってもいいけど、きっと生きているだけですでに退路を絶たれているのです。

丹沢には、とびきり美しい「明日」がありました。日の出とともに赤く焼ける富士と雲海、足元には輝く樹氷。たまには(特に日曜の夜)いやになる「明日」、少し好きになれるかも知れません。

 

きっと明日は筋肉痛。うん、これも背負うべき昨日。

明日もがんばろう。

【奥多摩・三頭山】新ジャンルの人間関係『登山仲間』を山コムで見つけました

少しさかのぼり、2017年8月5日。奥多摩の三頭山(標高1,531m)に行ってきました。

 

まだ登山を始めて間もなく、ギアも十分に揃っていないとき。

レベルアップしたいけど、単独じゃこわいし、登山仲間ほしいな…と思案しているとき、ネットで山仲間をみつけるサイト「山コム」で見た募集に返信をし、そこで集まった人たちと登ることになりました。

www.yamajouhou.com

登山に特化したmixiみたいなものかな。始めたての勢いってすごい。

 

当日、それはそれはとにかく緊張しましたが、友人からの「変な人だったらトイレに行くふりして帰りなよ」というアドバイスを胸に集合場所の武蔵五日市駅へ。

結果的に、きっとこれからの登山人生でもかなり重要な仲間を手に入れることとなりました。

 

【ルート】

武蔵五日市駅から都民の森バス停まで行きました。

都民の森入口⇒森林館⇒三頭ノ大滝⇒三頭山山頂⇒鞘口峠⇒森林館⇒都民の森入口

少し前になるのでタイムは覚えていません。

 

集合時間の30分前に到着し、トイレを済ませたり、いつもは書かない眉毛を書いたり…(基本夏山は大汗をかくのですっぴんです)

その日武蔵五日市駅でいちばんソワソワしていた女性は私です。

 

事前の連絡はLINEでした。呼びかけてくださったSさん(30代・男性)がグループを作ってくださり、そこで集合時間や場所、計画の共有を。当日朝、女性がひとり体調不良で来られなくなり、男2・女2、計4人の山行となりました。

 

さて、いよいよ集合。

今更ですが、わたし、めちゃくちゃな人見知りです。できれば誰とも知り合いになりたくないくらいです。病的な人見知りなんです。本当に、昔から。

※余談ですが…人見知りには大きく2種類あります。「完全に人とのコミュニケーションを遮断しにかかるタイプ」か「道化になって本質的なコミュニケーションを避けるタイプ」か。私は後者です。

 

メンバーは、Sさん、Iさん(年齢非公開・女性)、Hさん(30代・男性)。みんなほんまに美男美女。高まる。

自己紹介をしたり、今までの山行や登山歴を話したりと、これから始まる登山へのイントロが粛々と進んでゆく。

正直、たぶん全員緊張している。そりゃあそうだ、ここまで超絶初対面の人たちが突然集まることはあまりないだろう。しかも、これから数時間かけてともに山に登るのだ。ううむ、どうしたものか。ぎこちなく会話が進んでいく。

 

武蔵五日市駅から登山口である都民の森までゆくバス、これがなかなかに長い。1時間以上かかります。

しかも緊張しているからか、なんか会話が男女で別れてしまった。まあ、仕方ないか、こんなもんか…。しかも途中でうとうとしてしまい、そのまま眠りに落ちるという感じ悪い初歩的ミスを犯してしまった。

 

登山開始後は、Sさん・Iさん・わたし・Hさんの順の隊列。

ちなみにSさんは毎年富士登山常連、Iさんは屋久島の山小屋で住み込み勤務の経験あり、Hさんは幼少期からご両親との登山経験多数と、玄人ぞろい。私は登山開始から2か月目のペーペーだったので、実力差もかなり不安でした。

登り始めると会話も少しずつ弾み、お互いのプロフィールも見えてきました。私は主に後ろにいるHさんと話していたかな。福岡までおしゃれフェス「Circle」に参戦しにいったそうな。福岡時代は憧れつつも行ったことがないCircle。いいなあ。

途中滝が見られました。結構な落差で迫力があります。

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 お花もきれい。ヤマユリですね。

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山頂について、お昼ご飯タイム。それぞれコンビニ飯を持ってきました。

あいにくかなりガスっていて展望はなかったですが、お菓子をお裾分けしあったりと、最初よりは打ち解けた感じ。Sさんが撮ろう!と言ってくれて集合写真も撮りました。

 

下山中、初心者の私にはすこしペースが早く、足が回らなくなり、尻もちをついてしまいました。なんともビギナーっぽい。するとHさんが

「休憩しましょ!バテてます」

と呼びかけてくれました。このことをすごくよく覚えています。

嬉しかったのです。自分でも気づかなかった「バテ」、仲間がいたら気づいてもらえて、しかも励ましてくれて…

仲間ってええやん…

下山完了まで、ギアの話や体力づくりの話など、いろいろ勉強させてもらいました。

ちなみにHさんにはその後、雲取山でもお世話になりました。それはまたおいおい。

 

無事下山完了し、帰りのバスに乗る頃にはすっかり打ち解けた我々。バスは貸切状態でわいわい楽しく話しました。

途中下車し、「数馬の湯」で汗を流すことに。 

spa-kazuma.com

Iさんとお風呂でいろいろ話す。初対面の人とお風呂入るなんて初めてかも。楽しい…。人見知りにいちばん効くのはお風呂です。

お風呂後、みんなで食堂で軽く飲んでさらに距離を縮めました。軽くといいつつ結構飲んでしまい、喋りすぎて反省。。いつもこうなんだよ!!わ・た・し!!!

するとSさんが

「さっき男湯で話してたんだけど、もしよかったらこのメンツで雲取山行かない?」

とな。

いぐいぐいぐいぐ!!!!!

こうして、新しい仲間と、人生初の泊まり登山が決定したのです。

 

この勢いで、みんなで八王子でやっているお祭りに寄って帰ることに。

www.hachiojimatsuri.jp

なんだか思ったより賑やかで、人も多くてテンションぶち上げ!(キャラ変)またビール飲んだし。

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なんとも濃い1日で、家に帰ってすぐパッタリと寝てしまいましたとさ。

 

結論。登山仲間って最高!

 

代表的なメリットとして

・単独じゃ不安な山にも挑戦できる

・交通費や荷物が分けあえる

・ギアなどの情報交換ができる

というのが挙げられるかと思いますが、私はなにより「『登山仲間』という新しいジャンルの人間関係」が好きなんです。

この4人の仕事はバラバラで、年齢も同世代ではあるけどそれぞれ。プライベートのこともよく知らないし、わかっていることは、みんな登山が好き、ということだけ。

私にはその距離感がちょうどよかったんです。会社の人と行くのは気を遣うし、元々登山をしない友達を引き込むのもちょっと悪い…でも、登山仲間ならそんなことは気にしなくていい。今までの人間関係では定義できない、新しい関係性だと思うんです。

※もちろん相性もあると思います。たまたま出会った人と相性がよかっただけで、生理的に受け付けない人と出会うこともあるんだと思います。

 

結果的にこのメンツで、半年で5回、山に登りました。そのうち3回は泊まりです。初心者の私が、この短期間でかなり体力がついたのも、みんなのおかげです。この夏はアルプスに誘おうかと画策しています。

 

単独もいいけど、仲間もいいぞ。新ジャンルなら、人見知りでも大丈夫。

 

【丹沢・檜洞丸】苦しみと喜びのバランスがちょうど良い、信頼の丹沢へ

記憶が新しいうちに、気持ちがホットなうちに書きます。

 

2018年1月13日、西丹沢の檜洞丸に日帰りで行ってきました。2018年、2度目の山行です。

約1か月前、単独で初の小屋泊登山を丹沢主稜でやったのですが(これはまたおいおい)、その時に通った山でしたので2回目です。

 

わりと最近知り合った男性が頭から離れず、ここ1週間苦しんでいました。

もちろん、いい方ならオールOKなのですが、そうじゃない。その人のことは詳しくは書きませんが、どの友人にも「そんなやつとは会わない方がいい」と止められるような人です。

だけど、なんか気が合う。というか結構楽しい。

でも冷静な自分は「あいつはやめておけ」と情熱の自分に警鐘を鳴らします。というのも、一昨年振られたあの男にそっくりなのです。

言動や、考え方や、その他もろもろ。兄弟なんじゃないかと思っています。 

※だから惹かれるんだとも思う

 

最初は「思ったよりええ奴やん」くらいだったのに、

ここ数日は、連絡がこなかったら「女とおるんやないか…だったらどうしよう…」とナチュラルに考えるほどに。精神衛生が乱れまくった数日となってしまいました。

これは、恋なのか?それともただの寂しさなのか?

 

なにかを振り払えないかと、コースタイム7時間越えの檜洞丸をチョイス。なまぬるい登山じゃこのモヤモヤには太刀打ちできないと思ったのです。

 

【コース】

西丹沢ビジターセンター(8:50登り開始)⇒ゴーラ沢出合(9:30)⇒つつじ新道⇒檜洞丸山頂(11:22・50分休憩)⇒犬越路避難小屋(13:45)⇒用木沢出合(14:48)⇒西丹沢ビジターセンター(15:20)

コースタイムはおよそ7時間ですが、結果的にコースタイム約0.8でフィニッシュ。ちなみに西丹沢ビジターセンターまでは、小田急新松田駅からバスですが、これがなかなかに長い。

 

丹沢は、「苦しみと喜びのバランスが良い」山域だと思っています。

たとえば塔ノ岳へ向かう表尾根。すごく長い道のりですし、岩場や鎖場など、初心者にはちとハードルの高い難所もちらほら。

ですが、関東にいながらあの稜線を見た瞬間に疲れが吹っ飛ぶ思いは、まさに丹沢の「バランス感覚の良さ」がなせる業だと思います。

 

今回の檜洞丸も同じで、(特に復路)登り返しの多さに笑ってしまうほど。どんどん乳酸がたまり、膝はso laughing。

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しかし整備された木道は「これぞ丹沢」という感じです。本当にこれ作ってくれた人にどうにか御礼を言いたい。

 

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つらい下山中、こんなかわいいものも。うーん、がんばれる。

 

そして、今回も見られましたよ。丹沢の山脈を背後から見守る富士。

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 これが眼前に現れた瞬間、すべてどうでもよくなる。

「あー、ありがとう、丹沢」

私は丹沢にくるたび、感謝を禁じ得ません。

何にいちばん感謝しているかって、小田急線ユーザーなのでそのアクセスの良さなんですけどね。奥多摩にいくより全然楽。

でも多少遠くても 、丹沢にはきっと行くだろうなあ。

 

苦しんでもいい、と腹をくくれるとき。

それは、その苦しみに見合う喜びがあると信じられる時なのではないだろうか。

 

登山口に向かうバスの中からすでに、富士山がくっきりと見えていました。

「うん、今日はキツイ山行だろうけど、いい山行になる。」

始まる前からそう信じられるから、どんな急登も登り返しも乗り越えられた。仕舞にはずっと富士が見守ってくれるような展望。

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そういう意味では、丹沢には絶大の信頼を寄せています。

 

わたしは、彼が、信じられるのだろうか?

前回の失恋のときのように、何度傷ついても裏切られても、それでも信じられる何かが、ふたりの間にはあるのだろうか?

 

下山後、バスの時間まで少しあったので、西丹沢ビジターセンター内の暖炉の前で待たせていただくことに。

(ここには山に関する本やマンガなどがたくさんあるので何時間でもいれますよ)

暖炉の前に座ると、ふっ、と緊張が気持ちがゆるんで(山行中は日没にびびってずっと急いでいたから)、

「やーめよっ」

と、自然に思いました。そのまま気になる彼のLINEをブロック。

 

まあ友人に言わせれば大袈裟だということでしたが、今年で齢30、苦しみと喜びのバランスがとれないくらいなら、最初からやめてしまいたいのです。

(ああ…ここでも男性不信が…)

 

見返りが確信できないと苦しむ覚悟ができないなんて、本当に子どもだなあーと我ながら情けないですが、なんだかすっきりした山行でした。

 

帰りは小田急東海大学前駅で一度降り、丹沢帰りによく行く温泉へ。

onsen-sazanka.com

節約と、風呂上りに電車乗りたくないのでしばらく家風呂派だったのですが、この日は体がよく冷えたので久々。そして、これ!さみしくなんかない(棒

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から揚げ定食といっしょにいただきました。登山のあとの鶏肉は麻薬です。

 

檜洞丸は、塔ノ岳や鍋割山などの華やかな、いわゆる「表丹沢」とは違い、奥ゆかしく、ときに厳しく、悠然な佇まいの山だと思います。

富士の展望は絶品。西丹沢ビジターセンターからだと、富士に背を向けて歩くことになりますが、振り返ると常にいる、というのもまた信じられる要素のひとつかと思います。

 

さあ、次はどこに登ろうか。できれば苦しみと喜びのバランスが良い山がいい。その方が、信じられるから。

 

【イントロ】失恋をして登山をはじめたら大変なことに。

無性に書きたくなって、なんか始めてしまいました。

しかし、続くとは限りません。ごゆるりとどうぞ。

 

私は神奈川県川崎市在住、満29歳の会社員です。はむはむといいます。

そして、週末登山者です。去年始めたばかりですが、今日の山行で17回目でした。

そう、めちゃくちゃにハマっているのです。登山に。

最初は登山レポブログを始めようかと思ったのですが、

世には死ぬほどおもしろい登山ブログが溢れておりますので(1日中読んでいる)

私のブログのコンセプトを何にするかは、この記事を書きながら考えたいと思います。

 

なぜ私が登山を始めたのか、少し言語化したいと思います。

 

一昨年の冬、大失恋をしました。

東京の職場に転職して間もなく(それまでは博多で仕事をしていました)、

随分年上の職場の男性とお付き合い(この関係性もかなり曖昧だったのですが…)することになりました。

ザ・田舎モンの私は、彼が連れていってくれるところや食べさせてくれるもの全てにいたく感動していました。

フランクにラーメンとか。たまにはちょっといいレストランとか。休日には遠出したりとか。

※ちなみに酔いしれた「響き」ランキング1位は『恵比寿でクリスマスディナー』

まあ結果的に、他にも女がいてあっさり振られたというベタなオチだったのですが、当時の私は狂ったように落ち込みました。友人にも迷惑を掛けました。

今も書きながら涙が出そうです。

仕事もかなりつらく、なんで東京まで来たんだろう?と思いそうになるのをせき止めてくれていたのが彼で、とにかく依存していたんだろうと思います。

まあ一回り以上も年下の田舎モンはちょろいですよな。頭ではわかるんですよ。あはは。

今はまた東京の違う会社で働いているのですが、仕事で行き詰ったら思わずその人の名前を口に出すこともあるほどです(重

 

その彼は、サーファーでした。

週末は彼について千葉の御宿によく行き、彼や彼の友達にサーフィンを教えてもらったりもしました。水着も買ったな…(白目

しかし、やれどやれど、一切上手にならない。見てても面白くない。海寒いし。

大好きな彼と同じ趣味が持てたらいいな、と本気で思って何度もチャレンジしましたが、致命的なことに、波酔いするんですな、私。もう苦痛でしかない。

 

結局、彼と共通の趣味は持てず、そのまま失恋してしまいました。

彼の新しい恋人は、サーフィンを始めてハマったようです。(SNSってこわいよね

彼をずるずると引きずって約半年間、週末にやることもなく、たまに映画を観にいくくらいで、あとの時間は彼との思い出のディティールを脳内でリピートすることに費やしていました。

 

話は変わるようで変わらないのですが、

私は小田急線沿線に住んでおり、「大山登山きっぷ」のポスターが駅に貼られているのをよく目にしていました。

どうしてもそのポスターが忘れられなかったんです。なぜかはわかりませんが、地元の近くにある「鳥取大山」と重なっていたからかもしれません。

彼との時間を思い出すのに疲弊していた私は、強制的に趣味を持つことに決めました。そこでひらめいたのが、「大山登山」。

あっちが海ならこっちは山じゃ。

登山装備を持っている長い付き合いの友人に付き合ってもらい、大山登山へ。これが、私が登山にのめりこむきっかけです。

 

その際、靴はキャラバンのエントリーモデルを購入。レインウェアも奮発してノースフェイスの上下セットを購入(型落ちだったけど)。ザックは手持ちのタウン用リュック(ニクソン)で代用しました。

大山は、初心者向けとは思えないほどキツかったのを覚えています。階段も多く、岩も多い。だけど、「どこに足かけたらええんや?」などと頭を使いながら登ることが今までにない快感で。そしてなにより山頂で飲んだビールが本当においしかった。

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これが大山で飲んで食べたものです。ほんまにおいしかった。

 

「登山、すごいおもしろいやん」

翌日ガイドブックを買い、毎週のように近場に登るように。ちなみに1年足らずでザックは3つ増えました。靴も先日2足目を購入。ウェアはもう数えるのやめました。あ、テントも買いましたね。

 

実は、登山を始める前、婚活に精を出していた数か月がありました。

失恋は新しい恋で塗り替えるのよ作戦です。それ以上に、周りの友人や後輩が結婚したりいい恋をしているのを見て焦っていたんだと思います。

だって妙齢っちゃ妙齢だし。子供ほしいし。

でも、登山を始めてからは一切婚活をしなくなりました。そんな時間あるなら山登りたいし、そんなお金あるならギアが欲しいからです。うーんシンプル。

 

さて、タイトルに戻ります。失恋をして登山をはじめたら、

・お金がなくなりました。

・(恋愛的な意味の)出会いを求めなくなりました。

 

登山を通じて男性と出会いたい…と、思わないわけでもないんです。

共通の趣味があれば、彼とのようにはならないかも知れません。

だけど今、いい男性に出会って、恋に落ちて、結婚して、子供ができたら…

 

こんなに揃えたギアどうすんねん。

 

そう、婚活しているときと思考がゴロっと変わってしまったのです。

 

「女性としての幸せ」ってなんだっけ。私の幸せってなんだっけ。。。

最近、登りながらそんな事ばかり考えています。

ちなみに私は7割方、単独行です。思考が不健全に転がったら終わりなタイプの山行です。

 

人のせいにするわけではありませんが、いまいち男性が信じられなくなった、というのは事実です。

殿方と出会いがあっても「どうせほかに女おんねやろ…もうええわ明日山登ろ」

みたいな思考に陥ることがあります。ちなみにその山行ではお付き合いしていた彼への恨みとまた一目会いたい寂しさが渦巻いて、大抵失敗に終わります。下山する頃には全世界の男性が嫌いになっている。

 

えらく長くなってしまいました。

そんなこんなで、このブログは…会社員・女性(29)が、登山を通じて男性不信を克服・自尊感情を取り戻すまでの過程を書こうかな。基本的に山で考えたことを書きます。

 

はてぶ、使いこなせるかな。どうぞよろしゅう。