のぼるおんなは今日もめんどう。

2017年から登山をはじめた、こじらせ会社員女性が、山行で余計にこじらせた思考を記録します。

【北アルプス・唐松岳】登山2年目でアルプスデビュー!みんないっしょでたのしいぱーてぃ

夏山シーズン。毎週末、Twitterの山アカウントが沸いている。いやもう、燃えている。友人から、好きな登山ブログのオーナー、Twitterで知り合った人々など、とにかく山に行きまくっているよう。負けていられない。

とはいえ、毎週末県外に遠征するほどの体力も経済力もないため、山に行かない週は映画を観まくっています。この記事を書く前に観たのはこれ。

movies.yahoo.co.jp

いつもこんなアホラブコメしか観ていないと思われるのはシャクなので弁解?すると、別にシリアスなサスペンスだってアクションだって泣けるドラマだって観るんですが、定期的にこういうアホラブコメが観たくなるんです。女の子だから。

この映画は、ちょっとへこむくらい誰ともシンクロできない映画でした。だって主人公の女の人(ミラ・クニスという女優さん)が、相手役の男性(ジャスティン・ティンバーレイク)を誘うとき「うちで週末パーティがあるから来ない?」って…もはやリア充演出の古典だろ。ジャスティン、シャンパン持ってパーティに行くし。ほんとにこんなやつらいるんだろうか、アメリカには。。

まあこんな感じで暇なら1日に2本くらい観てるんですが、昔に比べると驚くほど泣かなくなったなあ、と。山行ったら景色見てすぐに泣くくせに、まあ映画じゃ泣かない。もう少し前だと、割とどんな映画でもビービー泣いていたのに。

そういえば、先日ついに30歳になった。もしかして、感受性が枯れてきたんじゃないか、とか。固定観念に縛られて何にも没頭できなくなって、つまらない批評しかできなくなるんじゃないか、とか。

 

枯らさないために、山に行きますよ!山登りを始めて2年目のこの夏は、ステップアップじゃ!2018年7月15-16日、ついにアルプスデビューしてきました。北アルプス唐松岳です。

≪行程≫

おそらく縦走なしならこれがスタンダード。

白馬八方→(リフト)→八方池山荘→八方池→丸山→唐松岳山頂山荘→唐松岳

※ピストンでした

 

同行してくれたのは、以前三頭山の記事に書いた登山仲間。1人行けなかったので、わたしを入れて3人のメンバーです。

 

山行前日、毎日アルペン号で八方まで行きます。

www.maitabi.jp

大学生の頃、1度だけ九州から岡山の実家に夜行バスで帰ったのですが、生意気にも「二度と使わねえよあんな乗り心地悪いヤツ」と悪態をつき一切乗っていませんでした。そして齢30を目前に、ついに夜行バス解禁。しかも今年3度目の利用です。貧乏になっている?

このメンバーに会うのは大山でスノーハイキングして以来なので、5か月ぶり!新宿駅に集合したら、シュウさん(仮名・男性・力持ち)がザックを新調していまして…なんと115リットル。アメリカ軍が使うようなやつらしいです。

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右の方です。まじでザックが歩いています。登山者であふれる週末夜の新宿西口ですが、誰よりデカいです。というか唐松岳でもNo.1でした。

23:00頃、新宿駅から八方に向け出発。バスではほとんど眠れず。たぶんトータル2時間も寝られなかった。寝るのを諦めたころ、八方に到着しました。

外の空気が吸いたい・・・バスから飛び出ると。

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これがアルプスや!!!!

いくみさん(仮名・女性・今回の山行でわたしと同じおっさんずラブ民だと判明)が「ネット画像とは、本物は違いますねえ…」と。いやはやまったくです。

近くのローソンで最終の買い物や身支度をして出発。まずはゴンドラやリフトを乗り継ぎます。

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ちなみに、リフトは荷物が15kg以上で+300円の別料金。シュウさんの115Lザックは別料金を免れないだろう…と思いきや、本人が「俺のザックに入っている2Lの水をいくみさんのザックに一時的に入れれば全員別料金なしでいける!」とおっしゃるので実践することに。結果、わたし13kg(セーフ)、いくみさん16kg(アウト)、そしてシュウさん25kg(ドアウト)という結果に。水さえ渡さなければシュウさんだけだった…っていうかどんだけ重いねん!

 

リフトの乗り継ぎ時の景色。さらにアルプスライクに。

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このときは、それはそれはキャッキャしていました。気分は最高。だって、ナメてたもん。いつも行う「気合のアミノバイタル儀式」もしていませんでしたし、なんだか元気が出る気のするウィダーインゼリーも持っていません。大体、シュウさんの荷物の重さに隠れていますが、わたしのザックもテントも持ってないのに13kgってアホみたいな重さです。だって、ナメてたもん。ゆるゆるハイキングだと思ってたもん。この時は。

 

さてさて、リフトで標高を稼いだところで、スタートです!

ケルンや、

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八方池、

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そして、雪渓、

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そしてそして、何より、アルプスの山脈。

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どれも、派手でかっこいい。ザッツ北アルプス。キラキラしています。

 

・・・序盤は楽しかったのですが、最初の雪渓超えたあたりから、疲労が肉体をも精神をも凌駕し始めてきました。

■夜行バスでほぼ眠れなかった

■標高が高いとはいえ記録的な猛暑と遮るものがない日差し

■無駄に重い荷物

■3連休で登山者が多く、行列停滞で自分のペースが作れず

■何よりナメていたこの気持ち

すみませんでした、アルプス様。

体力がピカイチの、健脚シュウさんの歩みも鈍ってきました。そりゃそうだ、27kgのザック背負ってんだから。ちなみにシュウさんは出会う人に何度か「すごいザックですね」と声を掛けられていました。声を掛けずともすれ違ったあとに「あれ、縦走だよね、5泊くらいかな?」と話していた方もいました。一泊二日だよ。

 

なにがきついって、目的の唐松岳山荘が見えないんですよ、歩けど歩けど。位置的に山の陰に隠れるようで、目標物が見えないやみくもさに心折れる。にんじんぶら下げられないとダメなんです。

まあそれでもがんばって、昼12時頃、唐松岳山荘に到着しました。結局4時間くらいの行動だったかな。本日はシュウさんが持ってきてくれたテントに泊まります。本当にありがとう。

テン場が最高なんですな。

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テントからの景色。

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着いたころにはテントぎゅうぎゅうで、ギリギリ張れたくらい。かなり早く着かないと思ったところには張れないですね。これも北アルプス感。

テント建ててすぐ、シュウさんもいくみさんも爆睡開始。わたしも少し寝ました。その後カレーを食べて

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いよいよ山頂アタックです。山荘から20分くらいで着きます。

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ガス!!

しかし、わたしはこのガスの中、萌えまくる道を見つけた。

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不帰ノ嶮(カエラズノケン)という尾根。ここから白馬の方へ行けるようです。むちゃくちゃかっこいい!名前もRPGに出てきそうな、険しさ100%のわかりやすい派手な名前。絶対いつか行きたい。夢中で写真を撮りました。

ガスっていたので早々に退散。お花にも会えました。

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夜はあてを作ってビールを。ミックスナッツのペペロンチーノ、サバと豆のトマト煮、ソーセージ焼き、チータラ焼き。

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なかなか豪華。だから荷物重いんだろってね。ペペロンチーノとトマト煮はわたしの担当でした。おいしかったです。

テントから見えた、赤く焼けた山。

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なんかねえ、このときやたら楽しかったんだよねえ。わたし本当に人見知りで、国に認定してほしいくらい病的な人見知りをこじらせているんですけど、なんならきょうだいと話しているような感覚で楽しかった。ふたりともわたしより年上だから話しやすいのかなあ。ランタンを消してシュラフに潜ったとき、なんというかすごく幸せな気持ちだった。

 

早々に寝て、わたしは4時に起床。シュウさんといくみさんは、起きません。毎度のことです。ひとりご来光を見に、こっそりテントを抜け出しました。

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結果的に雲が多く、ご来光は見られませんでしたが、素晴らしい景色が見られました。

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朝の唐松岳。いやはや、かっこいい。感服。

 

その後、起きたふたりと食事をとり、昨日来た道を下山。ピストンなので下山は省略しますが、大体3時間くらいかな。天気にも恵まれ、楽しい山行となりました。

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最後に撮った、「ぼくたち連峰」と名付けた写真。たのしいな。

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シュウさんのザックを背負わせてもらったわたし。でかいな…。会社の同僚に見せたら、「お盆によく見る、なすびに割りばし刺したやつ」と言われました。うまい。

 

またリフトを乗り継ぎ、八方へ帰り、温泉に入ったあとあずさに乗って東京に帰りましたとさ。

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登山を始めてまだ2年目。始めてよかったなーと思うことは数え切れない。非日常感、健康的、日々の張り合い…等々。でも何より、こんな気楽で大切な仲間ができたというのは宝だなあ、とか。

実はシュウさんもいくみさんも、全員アルプスデビューだったんですよね。それも嬉しかった。

 

わたしは自宅でパーティしません。シャンパンも差し入れしません。だけど、それでいい!素敵な仲間と山の上で缶ビール。それがわたしのいちばんのパーティ!ジャスティンもびっくりの、最高の登山でした。そして準備さえしっかりすれば、唐松岳はアルプスデビューにもってこいの山だと思います!次回は五竜岳や白馬岳にも行きたいな。

 

さて。この数週間後。30歳のバースデー当日、枯れないために・・・憧れの南アルプスに行きましたのです!次回は長編です。