【丹沢・檜洞丸】苦しみと喜びのバランスがちょうど良い、信頼の丹沢へ
記憶が新しいうちに、気持ちがホットなうちに書きます。
2018年1月13日、西丹沢の檜洞丸に日帰りで行ってきました。2018年、2度目の山行です。
約1か月前、単独で初の小屋泊登山を丹沢主稜でやったのですが(これはまたおいおい)、その時に通った山でしたので2回目です。
わりと最近知り合った男性が頭から離れず、ここ1週間苦しんでいました。
もちろん、いい方ならオールOKなのですが、そうじゃない。その人のことは詳しくは書きませんが、どの友人にも「そんなやつとは会わない方がいい」と止められるような人です。
だけど、なんか気が合う。というか結構楽しい。
でも冷静な自分は「あいつはやめておけ」と情熱の自分に警鐘を鳴らします。というのも、一昨年振られたあの男にそっくりなのです。
言動や、考え方や、その他もろもろ。兄弟なんじゃないかと思っています。
※だから惹かれるんだとも思う
最初は「思ったよりええ奴やん」くらいだったのに、
ここ数日は、連絡がこなかったら「女とおるんやないか…だったらどうしよう…」とナチュラルに考えるほどに。精神衛生が乱れまくった数日となってしまいました。
これは、恋なのか?それともただの寂しさなのか?
なにかを振り払えないかと、コースタイム7時間越えの檜洞丸をチョイス。なまぬるい登山じゃこのモヤモヤには太刀打ちできないと思ったのです。
【コース】
西丹沢ビジターセンター(8:50登り開始)⇒ゴーラ沢出合(9:30)⇒つつじ新道⇒檜洞丸山頂(11:22・50分休憩)⇒犬越路避難小屋(13:45)⇒用木沢出合(14:48)⇒西丹沢ビジターセンター(15:20)
コースタイムはおよそ7時間ですが、結果的にコースタイム約0.8でフィニッシュ。ちなみに西丹沢ビジターセンターまでは、小田急線新松田駅からバスですが、これがなかなかに長い。
丹沢は、「苦しみと喜びのバランスが良い」山域だと思っています。
たとえば塔ノ岳へ向かう表尾根。すごく長い道のりですし、岩場や鎖場など、初心者にはちとハードルの高い難所もちらほら。
ですが、関東にいながらあの稜線を見た瞬間に疲れが吹っ飛ぶ思いは、まさに丹沢の「バランス感覚の良さ」がなせる業だと思います。
今回の檜洞丸も同じで、(特に復路)登り返しの多さに笑ってしまうほど。どんどん乳酸がたまり、膝はso laughing。
しかし整備された木道は「これぞ丹沢」という感じです。本当にこれ作ってくれた人にどうにか御礼を言いたい。
つらい下山中、こんなかわいいものも。うーん、がんばれる。
そして、今回も見られましたよ。丹沢の山脈を背後から見守る富士。
これが眼前に現れた瞬間、すべてどうでもよくなる。
「あー、ありがとう、丹沢」
私は丹沢にくるたび、感謝を禁じ得ません。
何にいちばん感謝しているかって、小田急線ユーザーなのでそのアクセスの良さなんですけどね。奥多摩にいくより全然楽。
でも多少遠くても 、丹沢にはきっと行くだろうなあ。
苦しんでもいい、と腹をくくれるとき。
それは、その苦しみに見合う喜びがあると信じられる時なのではないだろうか。
登山口に向かうバスの中からすでに、富士山がくっきりと見えていました。
「うん、今日はキツイ山行だろうけど、いい山行になる。」
始まる前からそう信じられるから、どんな急登も登り返しも乗り越えられた。仕舞にはずっと富士が見守ってくれるような展望。
そういう意味では、丹沢には絶大の信頼を寄せています。
わたしは、彼が、信じられるのだろうか?
前回の失恋のときのように、何度傷ついても裏切られても、それでも信じられる何かが、ふたりの間にはあるのだろうか?
下山後、バスの時間まで少しあったので、西丹沢ビジターセンター内の暖炉の前で待たせていただくことに。
(ここには山に関する本やマンガなどがたくさんあるので何時間でもいれますよ)
暖炉の前に座ると、ふっ、と緊張が気持ちがゆるんで(山行中は日没にびびってずっと急いでいたから)、
「やーめよっ」
と、自然に思いました。そのまま気になる彼のLINEをブロック。
まあ友人に言わせれば大袈裟だということでしたが、今年で齢30、苦しみと喜びのバランスがとれないくらいなら、最初からやめてしまいたいのです。
(ああ…ここでも男性不信が…)
見返りが確信できないと苦しむ覚悟ができないなんて、本当に子どもだなあーと我ながら情けないですが、なんだかすっきりした山行でした。
帰りは小田急・東海大学前駅で一度降り、丹沢帰りによく行く温泉へ。
節約と、風呂上りに電車乗りたくないのでしばらく家風呂派だったのですが、この日は体がよく冷えたので久々。そして、これ!さみしくなんかない(棒
から揚げ定食といっしょにいただきました。登山のあとの鶏肉は麻薬です。
檜洞丸は、塔ノ岳や鍋割山などの華やかな、いわゆる「表丹沢」とは違い、奥ゆかしく、ときに厳しく、悠然な佇まいの山だと思います。
富士の展望は絶品。西丹沢ビジターセンターからだと、富士に背を向けて歩くことになりますが、振り返ると常にいる、というのもまた信じられる要素のひとつかと思います。
さあ、次はどこに登ろうか。できれば苦しみと喜びのバランスが良い山がいい。その方が、信じられるから。